ひきこもり

結局僕は、ここへやってきた。
見放されるのが怖くて、無視されるのが怖くて、僕なりに何とかついていこうとしたけれど、やはり僕には無理だったのだ。
疲れた。
しかし、こうやって、ここへやってくるのも、見捨てられ不安から逃れたいが為に、僕はあそこから逃げてきたのだ。
そして、誰かみてくれないかと、淡い愚かしい期待を抱き、ここへひきこもる。
昔の知り合いは、もう殆ど僕の知る範囲ではいない。
僕から切り離し、また向こうから切り離してきた。
いつか変われるのだろうか。
だが、もう仲良しごっこは沢山だ。
僕のような思考回路を持った人間がいていい場所ではない。
外からの刺激は、概ね僕を苛立たせ、精神状態を不安定にする。
耐えられないのだ。
だから、何回も僕は暴力を振るってきたし、弱さを認めきれずいた。
僕が弱い事などとっくにわかっていることなのに。
同情は要らない。
僕を苛立たせる。
弱いくせに、自尊心だけは誇大にある。
被害妄想も大概にしろ。
加害妄想も大概にしろ。
僕は僕に命じるけれど、僕は中々いうことを聞かない。
僕自身に言い聞かせられない言葉で、一体誰の心を動かすというのだろう。
それでも、虚しい作業は止められない。

読書

被告A (ハヤカワ文庫JA)

被告A (ハヤカワ文庫JA)

一見、法廷ミステリと誘拐事件が交錯して進んでいく物語。
折原一といえば、言わずと知れた、叙述トリックの作家である。これがこのまま終わるわけはないと期待していたとおりでした。
犯罪被害者たち、犯罪者たちの狂気がうかがえる。

中盤、読みにくく、展開が、????と言う点も有るが、ラストは圧巻。

また、表紙に使われている絵が、本文中にも登場する所も、凝った所である。

生自分自身

生まれてきたから
今生きてるの
ただそれだけ
それだけでいいといって

価値観なんてなんにもないの
生きてる価値って無ではない?
それでも良いんだって言って
そうじゃないと生きていけないから

辛すぎることがたくさんあって
それでもまだ生きていく
人間不信なんていっているの?
信じすぎるのも問題ではなくて?

自己責任で生きていくの
与えるのは自分の為だから
そうしたいと思ったから
そんな自己中心的な考えだよ

一人一人が幻想の舞台に立って
主人公を演じていくの
幕が閉じるのはいつ?
自己の物語が終わっても

まだ物語は語られていく
誰かと関係している限りは
でも自分をもう葬って
風の彼方に

夢墓標

そこには夢が
夢があったはず
夢は幻
でもそこはかとなく

努力者たちが
通り過ぎていた結晶
それは生きがい
己を生かすもの

どれだけ血と涙を流そうとも
叶えようとする願いが有る
見守るものが
有ると信じて

けれど残酷にも
切り捨てられていく残骸たち
その亡き骸を拾おう
そして弔おうと

夢の果てたちの
墓標を眺め
それすらも美しいと
その守り手となろう

今は亡き者たちよ
今有る者たちのために
この世は進む
終焉のときまで

生滅裂

壊れた心を抱えたままで
何を考え出せというの
自分自身さえ何者か分からない
行き場のない魂を抱え

誰にもすがることなど出来ない
これは自分の人生劇
悲劇にしかならないと分かっていて
それでも生きて行けと言う

とどまってもいいの?
少し休ませて
疲れ果ててしまったの
演じることに

助けは望まない
自分自身でいるしかない
この世に生を受けた宿命
放棄してもいいのに

それでもそうしないとき面他のは自分
助けてくれる人も有った
けれどそこにすがりきるのはやめよう
自分自身の弱さはどうしようもない

弱さを抱えたまま生きていくしかない
泣き果て疲れても
茨のベッドで眠ろう
この血を目にして

生きている事を感じよう
甘い言葉に騙されないで
それを信じる義務は自分
それを放棄してはいけない

優切身裂

優しくしないで
その優しさは
とても優しすぎて
一言一言発せられるたび
僕を傷つける
誰にも見えにない
その刃
優しいだけに
責めることもできない
優しさと言う刃で
僕をずたずたに
引き裂いていく
正しさを振りかざさないで
少しでいいから
隙を見せておいて
反論できない正しさは
僕を傷つけてやまない
優しさは正しくて
それゆえに僕は身動きを取れない
そんな物にくるまれて
一時の安らぎが
厳しい物に変わるから
でも単に
僕に関わろうとするすべてが
僕を傷つけているだけかもしれない
でも特に優しさや正しさは
辛すぎる
不条理なのは分かっているから