ゴロゴロ語呂語路

出荷時刻に出火した貨物は集荷に来た者の前で醜化していった。
管理人夫妻は、多大な負債を抱える破目になり、己らの不才さを嘆くことも出来ずに、こぼれる涙を上を向けば鴉の羽目からこぼれる日の光に反射させる。
炭化した残骸を担架で移動させ、途中でぶつかり落とした残害は運悪く不良たちの靴を汚し、啖呵を切られた。
限度を知らぬ相手はここぞとばかりに嵌めをはずし、夫婦は苦痛に喘ぐことになる。
ふうふうと息を切らせ、慰めに短歌を上手く読むことも叶わなかった。


夜虫にも 我ここありと 叫べども
   人ばかり無く 世無視されたり