仮定法過去

もしも僕が 鳥だったとしたら
君のところへ 飛んでゆこう
ヒュルユルヒュー バサバサと
そして やさしい歌を囁きましょう


そんな僕の 囁きは
君にとっては なんでしょう
君が耳を 傾けるのは 
傍に寄り添う ヒトの声


せめて耳の 片隅にでも
この囀りを 留めてく欲しい
無理な願い 叶わぬ思い
だって僕は 鳥なのだから


もしも僕が この身のままで
君のところへ 駆けつけよう
ドサドサリ バタバタと
僕に何が 出来るだろう


僕には 歌も歌えない
僕には 気の聞く言葉もかけられない
僕には 君の支えになれない
だけどそれは 不要な心配


僕は君が どこにいるのかも知らない
君は僕の ことなど知らない
僕が創りあげた 偶像
そんな偶像に 僕はこの身を授けよう