ハードルは低くなりにける
目の前に、左に、右にそして後ろにも そう、四方八方、八方十六方に聳え立つ高い壁が、自分行き場を無くしている。その壁が何時からあったのか、どうして出来たのか想像もつかないけれど 本当は薄々感づいているが どうしたらいいのか解らないでいる。それは、遠いようで近く、また、迫り来るようでもあり、時には遠ざかっていくようにも見える。おそらくこれの原因となっている、己でも そして囲まれ、戸惑っているのも己 どうしようという気がないわけでもないが、打開出来ずにいる。あるときには、ふとどこか一方だけが、その背を低くすることもあるのだが、我身の太さでは通れそうになかったり、低くなったとはいえ、まだ僅かにでも残る壁に躓き、転んで手や膝を擦り剥いたりしている。まるで子供のようだ。とはいえ、自分が大人になったという実感も何もなければまだまだ子供なのかもしれないとも思う。こんな図体のでかい 実際はそこらの小学生高学年に比べれば小さいのだが 子供がゴロゴロしていてはたまらない。いっそあの頃の方が、壁をぶち破りながら、実を傷だらけにしながらでも、どこかへ進んでいったのだろう。その先がどこかもしれないが。
ただ、いつからか、それが出来ずに、今ここに動けずにいる。