不安増大

不安なの
この不安
一体どこから
やってくるの
寂しい
寂しい
誰か傍にいて
でも誰でもいいわけじゃない
誰がいいの?
分からない
不安を解消してくれる人
寂しさを紛らわせてくれる人
それは一体誰?
どこにもいない
探しても
探しても
自分で切り捨ててきてしまったから
誰もかも
他人を振り払ってきてしまったから
一人で生きれるようにと
そう育ってきたから
でもその結果は何?
寂しさでいっぱい
不安でいっぱい
何をしていても
何も考えたくない
不安が増すだけだから

偽善偽悪

偽善
偽悪
自分を甘やかし
自分を叱咤して
他人の同情をひこうなんて
なんて甘い考え
癒し
誰の癒しを求めているのか
何の癒しを求めているのか
とにかく構ってもらいたくて
一人ぼっちは寂しすぎて
かといって
大勢の中は不安すぎて
どこにいても安らげない
安らぎを求めているのか
この世の何処かに
エゴばかりが目立つ
有る程度は仕方のないこと
そう割り切っても
自分のいやらしさに
反吐が出そうになる
何のための自分?
誰かのための自分?
何も分からずに
ただ生きるだけ
生きていくエゴ
死にたいと言うエゴ
どんな勇気もないくせに
言葉だけが先走る

妖髑髏華

髑髏を器に
飾られた華
それは
色鮮やかに
咲き誇ろうとしている
枯れ果てた器
けれども
その中で
息づこうとしている
新しい息吹
それは妖しげに
徐々に花開き
死に行きたものと
これから活きるもの違いを
はっきりと示そうとしている
しかし
その朽ちたはずの器も
その存在をなお
誇示している
それこそ
妖しげに

思考停止

どうにもならない
何を考えればいいの
何にも考えられないの
とても悩んでいるはずなのに
思考が停止してしまったように
考えることを拒否している
焦りだけが
そうただ焦りだけが
この身に付きまとい
結局は
何にも出来ずにいる
何にもしたくない
無気力感は
僕からすべてを奪い
時がたつにつれ
ただ不安を増大させるだけ
増大した不安は
気分を落ち込ませ
更に無気力へと
僕を追いやっていく
どうにかしたい
どうにもできない
何かをしなければ
何も出来ない
そんな繰り返しが
日々行われているだけ

読了本

唯幻論物語 (文春新書)

唯幻論物語 (文春新書)

電車の中でちびちびと読み続けました。読了するのにかなりの日数がかかったのではないでしょうか。
自らの、『強迫神経症』『鬱』の源泉を手繰ろうと、始めた、精神分析のほんの数々。その中から、自分の母と自らの経験を通して語っています。
小谷野敦氏の『すばらしき愚民社会』で触れられた己についての記述について反論した部分もあり、以前から語っている、母この関係を再度語り、新に見つめなおした本でうもあります。
『人間は本能の壊れた動物である!』とのたまう、氏。
鬱や不安神経症で悩んでいた日々に、手を出した、著者の一人であります。
その論が、自分に合っていたので、今でも読み続けています。
人間は幻想、物語を作り上げることで生きることが出来る。
それは、自分自身が主人公でよいと思います。
今でも、自分の中では自分の問題は解決はしていませんが、やはり、読んでいて心地よいです。
母性本能がないといわれる世の中。そんな本能などないのだよといってくれる著者が良いです。

言葉砕身

貴方の
冷たい一言が
僕を傷つける

貴方の
キツイ一言が
僕を傷つける

そして

貴方の
やさしい一言も
僕を傷つける

やさしい一言は
僕を醜くさせる
醜さを
きわだたさせる

いいように装った僕を
そんな僕に
優しい言葉をかけられても

そんな僕が
余計に惨めになる
惨めで醜い僕

一言は
すべて
僕の傷をえぐる

離別惜哀

ここを去っていくのなら
振り返らないで欲しかった
もう二度と合うことはない
そういう別れだったから
分かれると決めた時
そうなることは分かっていた
未練なんて残さないで欲しい
そしてこちらにも
へんな期待を持たせないで欲しかった
別れは出会いの始まりと言うけれど
この別れが変わるわけではない
別れは別れ
出会ってしまった時点で
必ずやってくるもの
それだって分かっていたはずなのに
いずれやってくる別れを気にしながら
それがいつかと怯えていた
その怯えを感じ取ってしまったから
あなたは己から去ろうとした
僕はそれをとめることができない
あなたが決めたことだから
それでも別れが
新たな出会いを恐ろしいものにかえる
別れがやってくる出会いを
今を楽しめない僕がいるから
新たな出会いを楽しめたらいいのに
別れの不安だけが勝ってしまう