読了本
- 作者: 岸田秀
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/08/19
- メディア: 新書
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自らの、『強迫神経症』『鬱』の源泉を手繰ろうと、始めた、精神分析のほんの数々。その中から、自分の母と自らの経験を通して語っています。
小谷野敦氏の『すばらしき愚民社会』で触れられた己についての記述について反論した部分もあり、以前から語っている、母この関係を再度語り、新に見つめなおした本でうもあります。
『人間は本能の壊れた動物である!』とのたまう、氏。
鬱や不安神経症で悩んでいた日々に、手を出した、著者の一人であります。
その論が、自分に合っていたので、今でも読み続けています。
人間は幻想、物語を作り上げることで生きることが出来る。
それは、自分自身が主人公でよいと思います。
今でも、自分の中では自分の問題は解決はしていませんが、やはり、読んでいて心地よいです。
母性本能がないといわれる世の中。そんな本能などないのだよといってくれる著者が良いです。
離別惜哀
ここを去っていくのなら
振り返らないで欲しかった
もう二度と合うことはない
そういう別れだったから
分かれると決めた時
そうなることは分かっていた
未練なんて残さないで欲しい
そしてこちらにも
へんな期待を持たせないで欲しかった
別れは出会いの始まりと言うけれど
この別れが変わるわけではない
別れは別れ
出会ってしまった時点で
必ずやってくるもの
それだって分かっていたはずなのに
いずれやってくる別れを気にしながら
それがいつかと怯えていた
その怯えを感じ取ってしまったから
あなたは己から去ろうとした
僕はそれをとめることができない
あなたが決めたことだから
それでも別れが
新たな出会いを恐ろしいものにかえる
別れがやってくる出会いを
今を楽しめない僕がいるから
新たな出会いを楽しめたらいいのに
別れの不安だけが勝ってしまう